有限会社てのひらの家の正富惠子と申します。
私の経歴を、簡単に述べさせていただくと、人並みに結婚をして、子育てが終わり、主人の両親をおくり、次は、自分の両親をみるために。生前の姑さんは「自分はデイサービスなんかには行きたくない！」と拒否。ならば、こんなところなら行きたいと思ってもらえるところにしようと、実家でデイサービスを開設しました。

順調に利用者様を増やしていくことができましたが、デイサービスには、限界がありました。終の棲家にはなれません。自宅で住めなくなった何人もの方たちを見送ってきました。 自分の両親を、そして自分自身も、ここなら終の棲家として、住みたいと思えるところを目指すべく模索を始めました。有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅、老健施設、特別養護老人ホーム、グループホーム、療養型病院…　いろんな入所施設が、いたるところに出来ていて、また出来つつあります。その中には自分の目指すものは見つかりませんでした。唯一、群馬県に行ってみたいと思う施設を見つけ、連絡をして母と一緒に見に行きました。思っていた通りのところでした。てのひらの家のすぐそばに土地を見つけ宅地にすることが出来ました。平屋で、デイサービス併設で、宅地いっぱいに建てるので、共用スペースは、決して広いとは言えませんが、中庭を設けた開放感ある場所です。居室の方は、６畳でこれまた広くはなく、トイレも居室外です。でも自分の部屋なら今４畳半ですが、充分だと思っています。大きな家族だと思えば心強いと考えます。今デイに通われている人たちも、家族の問題、金銭的問題、本人の納得できないこと、不安な面々、人それぞれに想い、理想、考えも違います。生まれ育った所、自宅で住み続けられることは、一番幸せなことです。でも実際、一人で暮らせなくなったとしたら、自宅に住めなくなったとしたら、どうしたらいいかと、誰もが心配はしていると思います。核家族が増え、地域の絆も薄くなりつつある今、忘れられた存在ではなく、笑顔で住み続けられる所を模索してきました。10年かかってやっと、たどり着いたところが、利益優先追求ではなくて、一人ひとりのおもいを大切に地域に根付いた心のある住まいの構築です。近所の方たちが気軽に立ち寄ってくださり、子供たちが一緒に笑えるところ、本当に必要なところ、こころのよりどころとなれるような住家です。